穂語、もといフォゲノ語は、日本語の文法を簡略化して作られた人工言語です。
日本語は複雑な漢字や、規則的とはいえ複数の語形変化、独自の文法を持ち、外国語話者にとって学習が容易ではありません。
そのような日本語から難しい部分を取り除き、原初にある文法を取り出して制作されたのがフォゲノ語です。
穂語、もといフォゲノ語は、日本語の文法を簡略化して作られた人工言語です。
日本語は複雑な漢字や、規則的とはいえ複数の語形変化、独自の文法を持ち、外国語話者にとって学習が容易ではありません。
そのような日本語から難しい部分を取り除き、原初にある文法を取り出して制作されたのがフォゲノ語です。
文字はa〜zまでの26文字のラテン文字と,.!?などの記号を使います。
文字と発音の対応は以下の表の様になっています。
| 表記 | 音素 | 音価 |
|---|---|---|
| a | /a/ | [ä]日本語のアと同じ |
| b | /b/ | [b]日本語のバ行と同じ |
| c | /tʃ/ | [t͡ɕ]日本語のチャ行と同じ |
| d | /d/ | [d]日本語のダ行と同じ⚠️ |
| e | /e/ | [e̞]日本語のエと同じ |
| f | /f/ | [f]上歯で下唇を噛んでファ行⚠️ |
| g | /g/ | [ɡ]日本語のガ行と同じ |
| h | /h/ | [h]日本語のハ行と同じ⚠️ |
| i | /i/ | [i]日本語のイと同じ |
| j | /ʒ/ | [ʑ]日本語のジャ行と同じ |
| k | /k/ | [k]日本語のカ行と同じ |
| l | /l/ | [l]舌を歯茎に付けてラ行⚠️ |
| m | /m/ | [m]日本語のマ行と同じ |
| n | /n/ | [n]日本語のナ行と同じ |
| o | /o/ | [o̞]日本語のオと同じ |
| p | /p/ | [p]日本語のパ行と同じ |
| q | /kj/ | [kʲ]日本語のキャ行と同じ |
| r | /r/ | [ɾ]日本語のラ行と同じ |
| s | /s/ | [s]日本語のサ行と同じ⚠️ |
| t | /t/ | [t]日本語のタ行と同じ⚠️ |
| u | /u/ | [ɯ]日本語のウと同じ |
| v | /v/ | [v]上歯で下唇を噛んでヴァ行⚠️ |
| w | /w/ | [β̞]日本語のワ行と同じ⚠️ |
| x | /x/ | [ɕ]日本語のシャ行と同じ |
| y | /j/ | [j]日本語のヤ行と同じ⚠️ |
| z | /z/ | [z]日本語のザ行と同じ⚠️ |
音素とは、//で囲み発音を表すための約束された記号です。
音価とは、実際の発音を国際音声記号で表したものです。
発音の説明に⚠️を付けたものは、注意しなければならない発音があります。
| 注意すべき音素 | 発音 |
|---|---|
| di | ヂではなくディ |
| du | ヅではなくドゥ |
| hu | 唇をしぼめずに |
| ki,kji | カ行とキャ行のキは区別する |
| si | シではなくスィ |
| ti | チではなくティ |
| tu | ツではなくトゥ |
| i,ji,wi | ア行、ヤ行、ワ行のイは区別する |
| zi | ジではなくズィ |
ここからは文の作り方を学びましょう。
まずは「AはBします。」という文を穂語で書いてみましょう。
一つずつ解説していきます。
siは「私」、つまり一人称にあたる単語で、tekuは「歩く」という動詞です。
ではmaは何かというと、「は」に当たります。
しかし、穂語のmaは日本語の「は」と完全に対応している訳ではありませので、ここでは主語を表す単語であると覚えておいてください。
次は「AはBい。」つまり、形容詞が述語になる文を説明します。
といっても、さっきの文の動詞を形容詞に変えるだけです。
もう分かってきたかもしれませんが、kiが「あなた」、-maが主語、minuiが「明るい」です。
このチャプターの最後に、名詞が述語になっている文を紹介します。「AはBである。」という文の事ですね。
fiが「彼」、guboが「友達」で、.niは「だ・である」に当たります。
.niは「である」に変換した方が分かりやすいと思います。
これで主語や述語の使い方は分かったと思いますので、次のチャプターでは主語や述語以外の枠組みについて紹介します。
主語や述語以外に文に含まれる要素を紹介します。
このチャプターではその内の一つの「格」を説明します。
上の文では、「犬」と「扉」という登場人物が居ますね。
結論を言うと格というのは「開ける」という動作が起きた時の登場人物の関係性を表すものです。
「犬」は「開ける」という行為の主体なので、「主格」と呼び、「扉」は「開ける」という行為の対象なので、「対格」と呼びます。
そして、日本語やフォゲノ語では格を「格助詞」というもので表します。日本語だと主格は「が」、対格は「を」という具合です。
格には他にも種類があり、それに対応した格助詞がフォゲノ語にも用意されています。以下の表が格助詞の一覧です。
| 格の名前 | 格助詞 | 格が表すもの |
|---|---|---|
| 主格 | le | 述語の主体(〜が) |
| 対格 | sa | 動作の対象(〜を) |
| 与格 | nu | 動作の方向や受取人(〜へ,〜に) |
| 浴格 | xe | 使役の対象(〜に) |
| 活格 | je | 受身の動作主(〜によって) |
| 処格 | ce | 時間や場所(〜で) |
| 奪格 | pa | 動作の起点(〜から) |
| 向格 | li | 動作の終点(〜まで) |
| 共格 | gu | 動作の共同者(〜と) |
| 具格 | no | 道具や原因(〜で) |
格を表すには、対応した格助詞を名詞の直ぐ後に置きます。
実は動詞や形容詞は、「活用」という変身をします。「五段活用」というものを聞いたことがあると思いますが、穂語の活用はもっと単純です。
動詞の活用は三段活用と呼び、表のようなルールで変身します。
| 変身形態 | 変身した形 |
|---|---|
| 基本形 | teku |
| 連用形 | teki |
| 命令形 | teka |
形容詞の活用は二段活用と呼び、表のようなルールで変身します。
| 変身形態 | 変身した形 |
|---|---|
| 基本形 | sui |
| 連用形 | sua |
日本語で過去の出来事を表す時、動詞や形容詞に「た」を付けますよね。これを助動詞といい、動詞や形容詞の連用形の後ろに助動詞を置くことで色んな意味を追加します。
| 助動詞の名前 | 助動詞 | 日本語の表現 |
|---|---|---|
| 推量 | ai | 〜だろう |
| 可能 | bu | 〜れる,〜できる |
| 受身 | cu | 〜される |
| 完了 | di | 〜した |
| 否定 | hi | 〜しない |
| 断定 | ni | 〜だ,〜である |
| 意志 | ou | 〜しよう |
| 自発 | qu | 〜える,〜れる |
| 過去 | xi | 〜した |
| 使役 | zu | 〜させる |
実は助動詞も活用、つまり変身します。動詞は三段活用、形容詞は二段活用でしたが、助動詞はその2つが混ざっています。どう見分けるのかというと、uで終わるものは三段活用、iで終わるものは二段活用という感じで考えるといいです。
そして変身するということは、連用形に活用することで後に更に助動詞を置くことが出来ます。
文には「ムード」というものがあります。雰囲気の事をムードなどと言うように、文がどんな役割、性質を持っているかを表したのが「ムード」です。
文のムードを表すのに使うのが「終助詞」です。名前の通り、文の最後に置く助詞です。
| ムードの名前 | 終助詞 | 日本語の表現 | 接続 |
|---|---|---|---|
| 疑問 | la | 〜するか? | 基本形 |
| 勧誘 | yoo | 〜しよう | 命令形 |
| 禁止 | be | 〜するな | 命令形 |
| 願望 | ite | 〜に〜してほしい | 基本形 |
| 思索 | lao | 〜しようかな | 基本形 |
| 詠嘆 | wo | 〜だなあ | 基本形 |
表の「接続」の列に「命令形」と書かれている場合、終助詞を付ける直前の動詞や助動詞を命令形にして終助詞を付けます。命令形がない形容詞や一部の助動詞はそのような終助詞を付けられません。
因みにムードのことを漢字で「法」と呼びます。このことから、終助詞を法助詞と呼ぶこともあるので一応覚えておいてください。
接続助詞を使うことで文と文を繋ぐ事ができます。例文を見てみましょう。
このように、「日が昇る」という条件で「明るくなる」という出来事が起こるという事を表しています。
条件には幾つか種類があり、以下の表のようになっています。例文で使われていた条件は順接の確定条件といいます。
| 条件の名前 | 接続助詞 | 日本語の表現 |
|---|---|---|
| 順接 | re | 〜と〜,〜ので〜 |
| 逆接 | du | 〜が〜 |
| 仮定 | fa | 〜なら〜 |
| 譲歩 | fe | 〜でも〜 |
因みに接続助詞は条件を表すことから、条件助詞と呼ぶこともあります。
これで助詞は3種類の解説が終わりました。次はいよいよ最後の助詞、副助詞を解説します。四天王の中でも最強です。
それでは最後で最強の助詞、副助詞を解説していきます。
なんとCh3で出てきた「ma」が再登場しましたね。Ch3では「ma」を主語の助詞だと教えましたが、上の例文だと、「pin sa」という「りんごを」を表す語句の後に来ていますよね。つまりここでの「ma」は主語ではありません。りんごが何かを食べた訳じゃありませんし。
では何を表しているかというと、一言で言えば「話題」です。例えば自己紹介では自分が話題なので自分に「ma」を付けますし、「りんごどこ?」と聞かれたらりんごが話題なのでりんごに「ma」を付けます。
このように格のような登場人物同士の関係ではなく、文全体を見て登場人物がどのような「役割」を持っているのかを表す助詞を「副助詞」といい、「役割」のことを「役」といいます。
| 副助詞の名前 | 副助詞 | 日本語の表現 |
|---|---|---|
| 主役 | ma | 〜は |
| 共役 | mu | 〜も |
| 比役 | fa | 〜なら,〜'は' |
| 譲役 | fe | 〜でも,〜までも |
| 較役 | pa | 〜より |
| 制役 | pe | 〜さえ,〜すら |
Ch6で助動詞を勉強したと思いますが、実はあれだけではありません。補助動詞や補助形容詞と呼ばれるものも助動詞としての役割を発揮します。
上の2文を見比べてみましょう。1文目ではtuが「居る,存在する」という意味で使われていますが、2文目ではtekuという動詞に進行の意味を加えているのが分かると思います。
つまり補助動詞は一般動詞としても、他の動詞に意味を付け足す助動詞としても機能する語ということです。
| 補助動詞の名前 | 補助動詞 | 日本語の表現 |
|---|---|---|
| 進行 | tu | いる/〜ている |
| 希求 | ru | 欲する/〜だかる |
| 受取 | beu | くれる/〜てくれる |
| 委託 | deu | もらう/〜てもらう |
| 授与 | geu | 与える/〜てあげる |
| 続行 | kou | 行く,進む/〜ていく |
| 続了 | lau | 来る/〜てくる |
| 完遂 | pau | 消える/〜しきる |
| 試行 | xau | 試す/〜てみる |
| 準備 | fau | 置く/〜ておく |
| 結果 | yau | 存在する/〜てある |
さてこの2つの違いが分かるでしょうか。上はdeuが動詞、geuが助動詞として働いているので、好意で魚を受け取るということを表していますが、下はどうでしょう。daが挟まっていますね。これは完了の助動詞の連用形ですが、これが挟まることで、geuは助動詞ではなく動詞として働きます。つまり「貰った後に誰かに上げる」という意味になります。
動詞だけでなく、形容詞にも助動詞として働く語があります。
| 補助形容詞の名前 | 補助形容詞 | 日本語の表現 |
|---|---|---|
| 超過 | cai | 〜を超えた/〜過ぎる |
| 希求 | rui | が欲しい/〜したい |
| 推奨 | bai | 正しい/〜するべきだ |
最後に、「〜な〜」という、名詞を説明する語句の作り方を解説します。
語句か名詞を説明することを「連体修飾」といい、その語句を「連体修飾語」または「連体修飾句」といいます。穂語の連体修飾には以下の4種類があります。
①形容詞の連体修飾
②名詞の連体修飾
③格助詞の連体修飾
④動詞の連体修飾
簡単なものから説明していきましょう。
形容詞で連体修飾するには、形容詞を名詞の前に置くだけでいいです。
普通の文章の中で連体修飾された名詞を使うこともできます。
名詞を名詞に連体修飾させるには、間に助詞「vi」を挟む必要があります。
ただし、viを使うなら、名詞同士が所有の関係になければなりません。つまり、「A vi B」は、「A所有のB」と言い換えられます。
では、「AであるB」という、関係で名詞を修飾させるにはどうするかというと、niを使います。
「彼への贈り物」というように、格助詞を使って名詞を修飾する時があります。この時にはさっきも登場した助詞「vi」を挟みます。
動詞を名詞に修飾させるには形容詞のように名詞の前にそのまま置くだけです。
形容詞と違う点があり、上の2つ目の文では、
・「彼に誰かが馬をあげる」
なのか、
・「彼に何かを馬があげる」
なのか分かりません。
そこで、必要に応じて格助詞と「関係代名詞」を補います。
ここでheoは修飾されている名詞、つまりここでは「馬」を指します。
このように関係代名詞を使うことで、「馬を」なのか「馬が」なのかがはっきりするという訳です。